ADLとIADLについて

デイサービスとは、要介護の高齢者が介護職員や看護師による、入浴や食事、日中活動などの支援を受ける日帰りのサービスのことです。そんなデイサービスで行われる支援の中で重要なものの1つに機能訓練が挙げられます。

その中で、専門用語として使われるのがADL。これは日常生活動作のことを指しています。主に食事や排せつ、入浴、更衣、移乗といったものです。一方で、食事の用意や部屋の掃除、買い物、金銭管理など、より複雑な動作が必要となるものを手段的日常生活動作と言い、IADLとも呼ばれます。こうしたものの中でも、より短期間で顕著に低下すると言われている機能がADLに含まれる、セルフケアや排泄コントロール、移乗や移動です。

在宅サービスの中でも、特にデイサービスではこうした短期間で悪化、低下しやすい生活機能の維持や改善のための取り組みが積極的に行われている傾向にあります。機能訓練特化型のデイサービスになると、専門の介護職員や看護師だけではなく、理学療法士や作業療法士、言語聴覚士といったリハビリの専門職がチームになって利用者を支えています。

中には、こうした機能訓練の現場で働きたいと考えている人もいるでしょう。ただその場合、本当に一人一人に向き合う覚悟があるのかを考えることが大切です。というのも、高齢者の機能訓練とは回復というより維持といった側面が強く、訓練をどれだけやっても改善しないケースがあり得るからです。

どんなに訓練をしても、人の老いというものは常に進んでいるもの。機能訓練の結果がなかなか目に見えないことが多く、やるせない気持ちになる人が少なくないのも事実。そのため、本当に高齢者と接するのが好きで、少しでも人生に役立ちたいと思える人でないと勤まらない仕事だといえるでしょう。