介護ケアで大切なこととは

介護職として働く中で大切なのは、いかに利用者の尊厳を傷つけることなく介護サービスを提供できるかです。高齢になるにつれて性格が頑固に変わっていく人は少なくありません。そのためスムーズに利用者に介護サービスを行うためには、コミュニケーション能力が大きなポイントになります。

相手の考えていることを知るためにはまず会話が必要です。会話量に比例して互いの関係が深まっていくため、ちょっとした声かけを心がけることが重要になってきます。介護職はサービス業に分類されており、商品ではなく介護士自身が提供するケアの質がカギになってきます。会話力や笑顔力、人当たりの良さなどが、介護士に求められるスキルです。そういった能力を磨き、良好な人間関係を構築できれば、利用者も積極的に協力してくれるでしょう。

会話能力が特に求められる現場が、デイサービスです。利用者がデイサービスに通所する一番の目的は、機能訓練やレクリエーションを受けて心身の衰えを防ぐこと。機能訓練やレクリエーションのバリエーションは豊富にあり、施設によっては高齢者が自分の意思で選択できるところもあります。

人によって趣味や適性は違ってきますので、「高齢者」と一括りにするのはよくありません。相手の個を尊重してあげることで、利用者が心を開いてくれる可能性は高くなります。相手の嫌がることを無理に勧めると、当然利用者は日に日に無表情になっていくものです。

例えば、書道は大好きだけど、囲碁は苦手という人もいますので、それぞれの利用者の趣味や性格をきちんと把握して、サービスを提供するようにしましょう。機能訓練やレクリエーションをするときに高齢者の表情をしっかりと観察していれば、何が好きで何が嫌いなのかは見えてきます。